敏感肌の
「セラミドケア」のコツ

みなさんこんにちはわくたです。
今日は敏感肌・乾燥肌の保湿におけるセラミドケアのポイントをご紹介していきます。
“セラミド”というものはお肌以外にも人間の身体の様々な部分に存在している物質で
特に角層では「細胞間脂質」という角層細胞と角層細胞の隙間を埋める物質のうち、約50%を占めるのがこのセラミドです。

セラミドの特徴として
・水にも油にも馴染みにくい
・ヒトの角層には25クラス 1581分子種のセラミドが存在する
・バリアだけでなく様々な働き(生理活性)をもっている
ということがあります。
角層がラップ1枚程度(0.02mm)の厚さで水分の蒸発を防いだり、異物の侵入を防ぐバリア機能となるのは、セラミドが2層に整列(ラメラ構造と呼ばれる)していることで、水も油も通さない膜を形成しているところが大きく役立っています。

「敏感肌・乾燥肌にはセラミドが足りない」ということは一度は聞いたことがあると思いますが、実際お肌がトラブルを起こしやすい状態の時は角層のセラミド量が減少したり、その質が変化することで細胞間脂質の層が乱れていることがわかっています。

だからこそ、肌荒れを未然に防ぐ、お肌の乾燥を防ぐためにはスキンケアでセラミドを補給し、健やかなバリアの状態をサポートすることが有効なのです。

敏感肌ケアに合う”セラミド”は?

保湿・スキンケアで配合されるセラミドは大きく分けて3種類ありますセラミド類似体→セラミドに糖類などがくっついたもの(グルコシルセラミドなど)擬似セラミド→角層のセラミドを模して合成されたもの
ヒト型セラミド→酵母や植物の脂質から作られる角層中のセラミドと同じ構造をしたセラミド特に角層のバリアと親和性が高いセラミドは「ヒト型セラミド」なのですが、最初にも記載しましたが、ヒトの角層には25クラス 1581分子種のセラミドが存在します。

現在、化粧品に使用されるヒト型セラミドは8クラスで下の表のようになっています。

この中で特に”バリア”として重要なものは
セラミドEOPやEOSなどの”超長鎖アシルセラミド”と呼ばれるもので、
これはアトピー肌などバリア機能が低下した肌では普通肌と比べて顕著に少なくなっていることが報告されています。
また、そのほかのセラミドに関しても敏感肌ではその長さが短くなっている(短鎖化)していることが報告されており、バリア機能が低下している肌では”セラミドの量だけでなく質も低下している”ということが明らかになってきました。

セラミドを補う“コツ”

以上の内容をまとめると、
敏感肌や乾燥肌など肌トラブルを起こしやすい肌では、
・セラミドEOPやEOSなどの超長鎖アシルセラミドが減少
・その他のセラミドも質が低下
この2つが起こることにより、バリア機能が低下することで肌荒れを起こしやすくなっています。
ここで、「保湿で補うならヒト型セラミドのセラミドEOPやEOSだ!」と思われる方もいらっしゃるはずで、それは間違いでは無いのですが実はこれは非効率な方法なのです。
ヒト型セラミドは現状、とても高価な原料で高濃度を配合すると、とんでもない金額になってしまいます。

また、スキンケアにおいて「高濃度」というものはそれ自体が刺激になるというリスクを高めることになります。
とはいえ、プチプラ価格に抑えるためにセラミドの配合を低濃度にするとその効果は感じられません。

ではどうするか?
ヒト型セラミドを複数種配合することで点ではなく、お肌を面で補うことでより効率的にバリアをサポートすることが可能です。
セラミドに限らず、スキンケアでは同じような働きをする成分を複数種配合することで、より刺激のリスクを減らしつつ効率的にスキンケア効果を高めることがわかっています。
ヒト型セラミドも同様で、バリアに時に関わりの深いセラミドEOPやEOSを中心に、複数種ヒト型セラミドを保湿で補うことで、より効果的にすこやかな肌を維持することができるのです。

皮膚科学、特に角層については研究が日進月歩で進んでいますが、敏感肌・乾燥肌にとって「バリアをケアする」ことの重要性は変わりありません。
その中でより効果的にスキンケアを行い、健全なバリアを維持することが健やかなお肌を保つために大切です。

今日の内容が日頃のスキンケアのお役に立てば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。